「いみぞざらい」と「みちぶしん」

4月上旬に大塚用水、里山用水、西ノ山用水などの農業用水路を、各用水利用農家の皆さんが共同で清掃しました。水路内に溜まった土砂を取り除いたり草を取ったり、来たるべき通水までに用水の正常な流れを確保するための労務です。我が町内が「いまむら」と呼ばれていたころまでは農業を生業としていた世帯が多く、水の確保は生命線そのものでした。

農地は減少したとはいえ、今も水の大切なことは変わりなく、農地を持つ者にとって農業用水の清掃維持は田植え開始前の大切な共同作業となっています。

「道普請」(みちぶしん)や「い溝ざらい」(いみぞざらい)という言葉は今は死語となっていますが、道路の舗装が進んでいなかった頃は、ワダチの凸凹を『みんなで』補修していました。みんなが生活する所は、みんなで維持し直すという心持ちが、みんなにありました。

下水道が整備され、道路は舗装、側溝が整備されてもみんなで生き、活動する「我が街」を大切に想う心を忘れたくないと想うのです。